第75章フォスターさん、私はこの仕事を失うわけにはいきません

店内の視線がいっせいに、その物音へとはじけるように向いた。

そして、ひとり、またひとりと、扉のほうを振り返った。

ジェームズが入ってきた。部屋を見渡すその目は冷え切り、鋭く刺すようだった。

視線はデイジーの上を一瞬だけ滑り、最後にシャーロットへと落ち着く。

それから彼は、まっすぐシャーロットに向かって歩き出した。

それを見て、デイジーは慌てて前に出て、彼の腕に自分の腕を絡めた。「ジェームズ、どうしてここに?」

ジェームズは無感動にデイジーを一瞥し、落ち着いた所作で彼女の手を外した。

「通りがかっただけだ」

そもそも入るつもりなどなかった。近くの店をいくつか見て回る途中で立ち寄っ...

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